連載:ハビリテーション
§ハビリテーションの定義 成人や年長の子どもが障害を持った場合、人は様々な治療方法で、以前のような生活や行動へできるだけ再適応できるように訓練をする。これをリハビリテーションという。 生まれつきの障害があったり人生の初期に障害を負った子どもを訓練する場合は、これは「再適応」とは言えない。そうではなくて、子どもができるだけ普通の生活が送れるよう「適応」させようとするハビリテーションが可能となる。ハビリテーションという概念には、医学的、教育学的、心理学的及び社会的観点から早期に障害を負うことになった子どもへのあらゆる支援が含まれる。
特別連載:ハビリテーション
身体障害における子どものハビリテーションの歴史、発展及び組織
(抄録)その2
・1960年代
1960年代は、「黄金の創設期」と言えるだろう。1962年、フォルケ・ベルナドッテ・ホームはウップサーラのアカデミスカ病院に譲り渡され、子ども専門の診療所の一部になった。初めは20床、67年にはさらに20床増やされた。
1958年に始められた脳性小児麻痺に関する内務省の調査が60年に完成し、脳性小児麻痺の子どもや若者のケアと教育について、その後何年もハビリテーション確立への指針となった。また、すでに58年地域ケアについての調査が行われ、国によって7つの医療地区を導入することが法案に定められた。
身体障害を持つ子どものためには、7つの地区それぞれに中核が必要だと考えられ、すでにあったイェーテボリィとウップサーラに加え、以後リンシェーピングに、また、70年代に同じような機関がエーレブロー、ウーメオ、そしてルンドにも創設されたのである。
同時に県運営の地域的なハビリテーションセンターが急速に設立され、ハビリテーションチームに医師が加わった。
医療面では、1960年代に2つの重要な出来事が起こり、それは子どものハビリテーションの発展に大きな意味を持つようになった。1959年から60年の2年間で、ドイツの鎮静薬、サリドマイドが登場した。妊娠初期にこの薬を服用した一部の母親が、とりわけ腕や足に典型的な奇形を持つ子どもを生んだことが明らかになっている。スウェーデンでは、このような奇形の子どもが2,300人生まれた。多くは整形外科学の技術を必要としている。このような子どもの治療は最初はストックホルムに集中していた。そして、ハビリテーション組織との協力により複雑な補助器具が治療にいつどのように導入されるべきかも分かった。
この10年間に盛んに取り上げられた、もう一つの身体障害児は、生まれつき脊骨の曲がった子ども達である。以前はそのような子どもの80%が幼くして亡くなり、生き残った者は脳に重い損傷を受け、大きな脳水腫ができることが多かった。その頃から、外国にならい、そのような場合は、生まれたその日に手術するようになった。脳水腫は大きくなることも多いが、のちに排液管(ドレーン・排膿管)を使って手術ができるようになり、生存の可能性が劇的に増大した。
このように、ハビリテーション組織が次第に増加し、脳性小児麻痺の子どもだけでなく、身体障害を持つあらゆる子どもや若者、先天的あるいは後天的な、筋肉の病気、関節の病気、そして他の損傷を持った子どもに、ハビリテーションを提供できるようになっていったのである。「CP(脳性小児麻痺)ケア」から「ハビリテーション」になったのである。このようにハビリテーションという名称は始めから様々な身体障害を持つ子どもだけに使われていた。
学校教育は、医学についてと同じぐらい重要なこととして常に注目されている。その多くの場合、子どもの発達の初期段階に関わってくる。1962年、身体障害を持つ児童にも適用される学校政策が導入され、「CP学級」は特殊学級として認められた。最初のCP学級は健常者の通う普通の学校に移された。
1962年には、CP学級の教師を対象に特殊1年間の養成が初めて行われた。1965年学校管理庁は身体障害を持つ生徒の相談員をおくことにした。また67年からは、学校で援助が必要な生徒のパーソナル・アシスタントに、国からの補助金が出ることになった。1967年には、イェーテボリィに国立身体障害者教育補助器具センターが設立され、1966年にはハンディキャップ学の教授職ができ、S.O.
ブラットゴードが初めてその職に就いた。
理学療法士は1969年に特別ハビリテーション部門を設立し、数年後には、幼稚園教諭、言語聴覚士、心理学者の団体が作られた。さらに1961年に身体障害者教育団体(FUR)も設立された。北欧諸国でハビリテーションを担当する医師は1963年に北欧神経小児科協会を作り、協会は毎年、それぞれの国で会議を開いているのである。<つづく>
(広報誌への連載は継続する予定でしたが、種々の都合によりこの回で掲載が途絶えてしまいました。)
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