福祉フォーラム
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「家族の扶養義務制度を見直そう!」



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 今回の福祉フォーラムは「家族の扶養義務制度を見直そう」というテーマで、021026日から114日まで、栃木県足利市・和歌山県御坊市・島根県松江市・岡山県津山市・愛知県名古屋市・福岡県北九州市の6箇所で行われました。

 今まで3回行われた福祉フォーラムはクラブEKOが企画をし、各地で実行委員会を設立して実施するという形で行われましたが、今回はクラブEKOの提案により、各地のそれぞれの団体や法人が主催をするという形で行われました。

 今回のテーマ「家族の扶養義務制度」は、日本に昔からある家族制度の下に民法でも「親族・兄弟は互いに扶養の責任を持つ」と規定されているもので、ある意味では私たちの生活の中では当たり前のこととして、普段は気に留めないことが多いかも知れません。そして、この制度はまた「困ったことがあれば、家族が面倒を見る」ということを前提として、日本の福祉の基盤を成しているものでもあります。しかし今の社会では、特に高齢者を抱える家族や、「親亡き後」の不安を抱える障害を持つ人の家庭、更に介護疲れから来る悲惨な結末など、いろいろな方面で「家族の抱える問題」を見直す必要も出て来るようになりました。

 今回の福祉フォーラムではシンポジウムという形でいろいろなフィールドに携わる方々や参加者の意見を聞き、これからの福祉社会を考える一つの提起になったのでないかと思われます。


●各地での様子

足利市 

10月26日
会場:「きたざと学園」
主催団体:福祉フォーラム実行委員会、足利むつみ会家族会  
テーマ:「様々な立場から人権について考える」


 去る10月26日(土)に“足利市「福祉フォーラム」”が開催されました。会場は栃木県足利市にある「社会福祉法人 あしかが
むつみ会」で、参加人数約70名にて行われました。テーマは「扶養義務を様々な視点から考える」で、日本では当然の事と考え
られている扶養義務について様々な立場の方たちの意見とスウェーデンでの扶養義務の考え方を巧く対比させるような形で進められたと思っています。

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実際にフォーラムに参加された方の感想をご紹介したいと思います。

・触れたくない部分だけれど、真剣に話し合うべきこと。

・親はいつまでも生きている理由ではないので、子供が独り立ちできるように考えていくべきだと思う。それには何が必要か?どのようにして環境を整えてやるのが一番いいのか、長い目で見て確立すべきだと思う。

・親も子離れすることを早くのうちに考え、それに向けて考えたほうがいいと思う。

・親亡き後、施設というのでは、本人にとってどうなのか?突然生活が一変するのはいいことなのだろうか?親子の愛情がからむものだから、一概には言えないが、第三者の立場で考えてみるのもいいのではないだろうか?

*このような感想を聞くことができました。扶養義務を考え直すということは、日本人という民族全体の考え方をも変えていく大きな問題だと思いますが、今回のフォーラムがその第一歩になったのでは?と感じています。また、この大きなテーマは1回で終わらせるものではなく、何度も話し合われるべき問題だとも感じました。

足利市福祉フォーラム 実行委員 高久保


御坊市

10月27日
会場:御坊市地域職業訓練センター
主催団体:和歌山県社会福祉士会

テーマ:「自分らしく地域で安心して暮らすために」


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 御坊市では、「成年後見人制度」についてと、家族の扶養義務制度についてのシンポジウムが行われました。障害を持つ兄について、弟から「お母さん、いつまで生きてるの?お母さんがいなくなったら、僕がお兄ちゃんの面倒を見るんだね?」と聞かれたお母さんの心情に参加者の胸が打たれた思いがしたのが印象的でした。 

 
松江市

10月31日
会場:島根県立総合福祉センター いきいきプラザ
403 研修室
主催団体:松江地区精神障害者家族会連絡協議会
2回市民講座「家族の扶養義務(責任)について考える」

 
 当日の参加者は80名でした。脳外傷友の会、精神科病院・クリニック、身体・知的・精神生活支援センターの職員・当事者、精神家族会、市役所、町役場、老人福祉施設、社会福祉協議会、ボランティア団体、成年後見センター、介護労働安定センター、作業所、等々、家族の方、当事者の方、支援側の方、行政の方、ボランティアの方それぞれの立場でご参加いただくことができました。

 協議会としましても、「家族の扶養義務について」今後、地域で共に考えていける、大きな大きな第一歩になったと、この度のフォーラムの重みを感じているところです。
 携わる職業人としても、一個人としても、扶養する側、される側、法律的な義務はなくても扶養せざるをえないと思っている側、される側、法律的な義務があるのに扶養しない側、されない側・・・親と子、子と親、兄弟、夫婦、母子、・・・といろいろな場合と状況があると改めて考えさせられました。
 その根本にあって欲しいものは、お互いの人生を尊重あい、個人の自立をあたりまえのこととして思い、生活していく風土でしょうか・・・。  中島みゆき


津山市

112
会場:津山市総合福祉会館 
4階 大会議室
主催団体:社会福祉法人 津山みのり園
テーマ:「家族の扶養義務制度と支援費制度について」

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 今回で2回目のみのりセミナーの開催となりました。前回に続き大滝昌之先生をお迎えし、福祉フォーラム「家族の扶養義務制度と支援費制度について」をメインテーマに、利用者の方、ご父兄の方、職員、そして一般の方を含め約70名の参加がありました。

 シンポジウムでは、「扶養義務制度と支援費制度に期待するもの」というテーマで、岡山県の知的障害者相談員の方から、日々の相談の中から事例を交えて、支援費制度が何を目指しているのかについてのお話をしていただき、施設側として、みのり学園の牧野常務理事から、日本の福祉制度の現状について話され、その中で、扶養義務について定めている民法については、それ自体も制定されてからかなり年数が経ち、法律も高齢化している現状であるという話しは印象的でした。
 そして大滝先生には前の
2人のシンポジストの方の話を受けて、スウェーデンと比べた日本の扶養義務制度について、その複雑な仕組みについてのお話をしていただきました。その後、参加者の中からはケア付き住宅について、スウェーデンでの福祉に関わる支援者の養成等についての質問が出され、それについても、大滝先生から詳しく説明をしていただきました。

 大滝先生の講演の時間を短くしていただき、シンポジウムに十分時間を取ったつもりの今回のセミナーでしたが、予定の時間をオーバーしてしまい、参加された方の中には、もっと色々なことを聞いてみたかったと思われた方も多かったのではないかと思われます。

 次回はそういった方の思いを十分配慮し、少人数でもいいから、誰でも気軽に自分の思いを話すことのできる温かみのある研修会を企画していきたいと思っています。色々とお世話になり、ありがとうございました。

津山みのり園 甲田 啓介


名古屋市

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場所:NTT松原苑
主催団体:わっぱの会
テーマ:「家族の扶養義務制度について」

 

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 札幌の「育成園訴訟」原告の松岡さんの支援アピールに続いての、熱いシンポジウムとなりました。
 池原弁護士から「家族扶養から公的扶養になると、国としては膨大な財政支出になる」との説明で、日本人の美徳だと説く政治家の話は、何となく財政の保持というのが本音かも知れないと思うところもありました。 大きな問題ですけど、日本の福祉社会の根底をなす問題で、福祉を変えて行くには避けられない問題であると痛感しました。

   

北九州市

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場所:北九州市戸畑区、「ウェル戸畑」
主催団体:人権オンブズ福岡
テーマ「権利輝く時代のために」


NPO法人「人権オンブズ福岡」設立記念シンポジウム

趣旨

 20世紀の後半は世界的規模において障害をもつ人や高齢者、子どもの人権が打ち立てられ、それへの認識が深められた時代でした。しかし社会的支援を必要とする人々をめぐる法制度は着実に発展していると確信できる一方で、21世紀に入っても人権を無視され踏みにじられている状況はまだまだ続いています。
 社会的支援を必要とする人々に対する人権侵害に終止符を打ち、豊かな生活や幸せな人生を追及できる条件を創り出していける社会へと私たちの社会は変わらなければなりません。ささやかながらも、その為の一石を地域に投じる想いで私たちはこのシンポジウムを下記の通り企画しました。
 障害をもつ人や高齢者、子どもなど社会的支援を必要とする人々の権利輝く時代は、出身階層、性別、思想信条、そして能力などに関わりなくすべての人の権利が輝く時代であることを、私たちは多くの方々と語り合い、確信したいと考えています。そして権利輝く時代を創るための具体的な取り組みを共に考え実行しようではありませんか。 「人権オンブズ福岡」


●まとめ

  今回は、今の日本の福祉社会において「家族の扶養義務制度」という古くからの慣習がどう関わりあっているかというテーマを、各地でそれぞれの形で取り上げました。いつもは、例えば今年始まる支援費制度など、現実に直面している問題について考えることに追われる場合が多いためか、会場の参加者もはじめは扶養制度という大きな問題に対してシンポジウムがどう展開して行くのかという関心を持って参加されたと思いますが、シンポジウムが進むにつれて、如何に扶養制度というものが我々の身近なところで「暗黙の了解」として受け止められ、またそれが個人と社会という問題や家庭の生活の中で不自由さをもたらすのかを、それぞれの立場で受け取ったのではないかと思われます。

この問題は、例えば支援費制度や地域での生活支援、あるいは高齢者の介護の問題などに比べて緊急の問題とは思えないところもありますが、でも、個人が大切にされる社会作りということでは避けることの出来ない問題であると実感された方も多かったと思います。 

長い歴史の中で引き継いできた文化は短期間で変えることは出来ないかも知れませんが、そのためにも、このテーマは今後もいろいろな機会に広く議論して行くことが必要だということは、参加されたみなさんそれぞれ持ち帰られたのではないでしょうか。

企画に参画されたみなさん、そして参加者のみなさん、ご苦労様でした。

 

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